利用品質

○利用品質の捉え方
利用品質は何かと言っても説明が難しい。まず、利用と品質を分けて考える。利用とはモノ、サービスを用いて目的の結果を得ようとする行為とする。
品質とは意図した性能がどの程度達成されているかを測る尺度とする。
この二つを組み合わせると、モノ、サービスを用いて目的の結果を得ようとした時の達成度合いと捉えられる。

○利用品質の紛らわしさ
利用品質を考えるときに、紛らわしい点が三つある。
一つ目は結果と仮定の話。利用は時間軸を伴うため、利用中と結果の両方を伴う。つまり結果が良くても利用中の品質が満たされないと、利用品質が高いとは言えない。
二つ目は、モノと人の話。利用中の応答速度が早く結果も正確なものが出てくるとする。このような事例はモノ側の話だ。問題は人が応答が早い、正確な結果が出てきたと感じられるかの話だ。いくらモノ側の性能が良くても人がその性能を感じられなければ利用品質が高いと言えない。ユーザエクスペリエンスとは人側が感じる品質にフォーカスしたものとも言えるかもしれない。
三つ目は期待と実情の話。性能が良くても利用者の期待に沿っていなければ意味をなさない。したがって、期待以上の品質がもたらされなければ十分な満足は得られない。突き詰めると人のニーズ、期待値を把握しなければ利用品質が高いモノ、サービスは提供できない。

○まとめ
ここまでの話をまとめると、利用品質とは、モノ、サービスを用いて目的の結果を得ようとした時の達成度合いであり、モノ側と人側の品質両方が満たされており、かつ、人のニーズに即していることが求められると言える。

○補足
結果の品質が悪くても人が満足すれば良いではないかという捉え方もあるが、それは一時的な視点であり、長期的な視点でそれがいいということを判断した上で良いか悪いかを決めるべきではないか。

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