UXはただの体験か?

○UXはただの体験?
ユーザーエクスペリエンスは、日本語に直せば、利用者の体験に他ならない。ユーザーエクスペリエンスには時間軸があるので経験という言葉の方が適切だという説もあるが、経験では学習的な意味合いや、経験値的な意味合いを感じるため体験の方が相性が良い。
利用者の体験というと、良いこともあれば悪いこともある。UXというと良い側面ばかりがフォーカスされるがそれは誤解を生みやすい。
UXに取り組む、という言葉は言葉足らずで、UX向上に取り組むという言葉が正確と言える。

○UXに感情は含まれるか
UXデザインを取り扱う際にカスタマージャーニーマップが用いられるが、このカスタマージャーニーマップには感情曲線が含まれている。これが誤解を生みやすい。
何かを体験すれば、何かしらの感情を抱く。つまり体験の結果が感情だ。この体験と感情を混同して扱っている事例が多いが、感情と体験を一緒くたにすると辻褄が合わなくなる。
なぜなら、感情自体をデザインでコントロールすることは困難だからだ。体験と感情は密接なものだが、感情を提供するデザインを狙うとすると、すべての人に同じ感情を抱かせることはできないため取り組みが詰まる。同じ体験をしても感情の抱き方は人それぞれだから議論が先に行かなくなる。
UXデザインは体験をデザインするものであり、感情をデザインできるものではない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。